ボールを保持する際に、重要なファクターとなるのが中盤の管理であろう。
その中盤をコントロールすることが多いのが、ドブレピボーテのクリホヴィアクとイボーラである。
ドブレピボーテのクリホヴィアクは、バランスを調整するのが上手い選手である。恵まれたフィジカルで守備力に目が行くが、ボールを散らせることが出来る。しかし、それは後方支援の意味合いが強い。CBと中盤の管理を担当し、フィルターになることも厭わない。
一方のイボーラはボールを収められる懐の深い選手だ。しかし、創造性というものには縁のない為に、組み立てにはそこまで関与しないタイプであることを付け加えたい。(バネガを落として)前線に上がることで、前線と中盤を管理する。中盤でボールを受ける場合はロングボールを前線に放る事が多い。また空中戦を競ることで強さを発揮する選手でもある。
第26節のデポルティーボ戦の空中戦のデータでは、イボーラのみならずバッカ、クリホヴィアク、CB陣を含めたセビージャ全体の数字で17回勝利している(デポルは8回)。その空中戦で一際輝きを放つのがイボーラである(4回勝利)。
そんなドブレピボーテと共に、トップ下から落ちて中盤を管理するバネガの役割は、
①トップ下のタスク
具体的にはバイタルエリアへの侵入
(デポルティーボ戦では、デポルティーボの帰陣が遅くなったことやスペース管理が甘くなったこともあり、バネガを落とさないシーンも)
②中盤でのボールホルダーへのサポート
③相手FWとMF間といったピボーテの位置でボール保持のコントロールとそのキープ力
④ビルドアップ要員への指示とスペースメイク
⑤配球係
このように整理することが出来る。
以上が、主なセビージャの性質である。ボール回しにおける、大きな要素である中盤の人員のキャラクターについて述べたつもりだ。