日本のサッカーファンがボリビアと聞くと、今年のコパ・リベルタドーレスで指導者としてウニベルシダ・デ・スクレをベスト16に導いた元横浜マリノスのフリオ・セサル・バルディビエソ、前回大会のメンバーで短期間だが湘南ベルマーレに在籍したエジバルド・ロハス、そして元ヴェルディの石川康を思い浮かべるだろうか。
過去W杯に3度出場し、コパ・アメリカでも優勝と準優勝の経験を1度ずつ持つ彼らだが、野球大国ベネズエラの急成長により“南米最弱”の地位に転落して久しい。
ブラジルW杯予選はバルディビエソを日本に呼んだ元マリノス指揮官で、ボリビアを1994年大会出場に導いたハビエル・アスカルゴルタを再び監督に招いたが特に見せ場もなく敗退。今年1月、元代表のマウリシオ・ソリア監督が前年の暫定から昇格し、2018年のロシア大会に向け新たなスタートを切った。
24年ぶりのW杯出場を目指すボリビアだが、チームは出だしから躓いている。
3月、ナイジェリアと当地で最初の親善試合を行う予定であったが、過激派組織でISILとの関係も指摘されるボコ・ハラムの台頭により、治安の悪化を懸念したボリビアサッカー連盟は渡航をキャンセル。別の試合を予定していたものの結局代替試合は行われなかった。
そうこうするうちにコパ・アメリカのメンバー提出期限を迎え、今月6日にアルゼンチン代表と約8ヶ月ぶりの実戦にして大会前唯一の強化試合を行ったが、アグエロにハットトリック、ディ・マリアに2ゴールを許し0-5と惨敗。
貴重な経験とはいえ大会前に戦うには強過ぎる相手であったことは否めず、これといった収穫を得られぬまま本番を迎えることになる。