そんなボリビアには帰化選手に頼ってきた歴史がある。
同国歴代最多93capを誇るエルネスト・クリスタルドや、今大会のエクアドル代表を率いる元ボリビア代表DFのグスタボ・キンテーロス監督は共にアルゼンチンの出身だ。
今大会も例外ではなく、ザ・ストロンゲストの主将にして絶対的なエース、パブロ・エスコバルはパラグアイからの帰化人で、ダミアン・リシオは名門リーベル出身のアルゼンチン人。マルティン・スメドベリ=ダランスは、名前からもうかがえるがスウェーデン出身で父親がボリビア人だったために昨年代表入りを果たした。
少し事情は違うがエースのマルセロ・モレノもボリビア人とブラジル人の混血で、ブラジルユース代表時代には来日した経験を持っている。
このように各地に散らばったボリビアにルーツを持つ選手の発掘に余念のない彼らだが、お世辞にもチームが強化されているとは言い難い。
最近、ミラン・プリマヴェーラに所属するセバスティアン・ガマーラが俄然注目を集めている。幼少期に欧州へ渡った彼もまた、サッカー連盟が国外から発掘した選手だが、トップチームでのデビュー経験がない18歳にこれだけ期待が集まること自体、ボリビアの苦しい台所事情を象徴していると言える。
そもそも過去の優勝・準優勝も結局は自国開催で高地ラパスのアドバンテージを最大限利用したものであり、その自国開催で準優勝した1997年以来、1勝も出来ていないのが現状である。
今大会も1勝出来れば驚き、南米予選に向けいかにチームを成熟させられるかが焦点となるであろう。