――2019年は新しく就任したミゲル・アンヘル・ロティーナ監督のもとでのシーズンでした。どんな一年でしたか?
まぁ、苦しいというか、いろんな移籍の話があったり、まったく試合に出られない時期があったり…。
昨シーズンだけのことではなく、ここ2、3年は自分の中で不甲斐ない、サッカーをしていなかったというか他のところに“やじるし”が向きすぎていた印象があります。伝えたいことややりたいことを言えないまま、時間だけが過ぎてしまった、という感じですかね。
ただ、昨年の夏以降は、「もう一回自分はこのクラブで絶対的な存在になりたい」と思うようになって。プレーヤーとしてももちろんです。もう一度そう考え直したところからある程度落ち着いてプレーできるようになりました。
――誰にどんなことを伝えたかったんですか?
自分がなぜこういう態度を取ったのかとか。あるじゃないですか、言えないこと。引退してからは山ほど言いますけど(笑)。
それを我慢するのが大人ならば、僕は我慢できない、大人にならなくていいと思っています。
誰かのために犠牲になったりとかは当たり前の話ですが、誰かのためにサッカーをやるのは違うというのが自分の中にあって。もちろん「家族のため」は良いと思うんですけど。
クラブとしてというか、人間的にもいろいろな付き合いがあるなか、チームというのは決して一人ではないですが、でも最後は個人。一人のスポーツ選手ですから。
そこの難しさは一番、この2、3年で感じたかなと思いますね。
――その辺りの考え方が、昨年夏ごろから変わった?
そういうことって、もうサッカーはあまり関係ないじゃないですか。
でも、僕の中ではそれがサッカーにすごく関係があったので、もう考えるのはやめよう、サッカーだけをやろう、と。それによって気持ちやプレーに余裕が出たというのはあります。