――昨年は主に左サイドでの出場でしたが、トップに入ることもありました。それぞれどういったところに注意してプレーしていましたか?
ロティーナ監督のサッカーはサイドハーフがサイドハーフではないんです。4-4-2だとしたら、中盤の4人が全員セントラルMFみたいな感じですね。だから頭を使います。
それと、相手の嫌なところを消しつつ、自分たちの良いところを出す。つまり相手の嫌なところを消すほうが先になんです。だから押し込まれる時間があって、守備的なチームと思われがちなんですが、ロティーナ監督的には「攻撃をする前の組織」という感じですね。
トップに入る時はあまり決まり事もなく、自由にやっていました。
――そうなると、開始から相手をよく観察してプレーすることが大事?
ミーティングからそうですね。「ここはこうだからここをこうやって守る」といった感じで。試合中も修正の指示がすぐに飛んできます。
――柿谷選手自身は左サイドとトップ、どちらがプレーしやすいですか?
もちろん、前です。点を取りたいので。
※昨季はリーグ戦3ゴールに終わった柿谷。ただ、ホーム最終戦となった清水エスパルス戦の決勝弾を見ても(動画2:08~)、得点感覚はやはり特別なものがある。
――ゴールを多く決めていた時はトップでしたし、その後は一つ後ろでプレーすることが多いです。その中で、技術を発揮する判断の基準なども変わってきましたか?
やっぱり監督によって変わりますね。そしてそこで“優先順位”が決まってしまう。
それは本当にこの2、3年、一番悩んでいるところです。自分の優先順位が低いものが上に来た時に、素直に受け入れられないというか。今でももちろんそうですし。
監督によってうまいこと変えられる選手が良いのかどうか、僕は正直分からないです。変えられるのが「正解」ですよ、絶対。たとえば会社で上司に言われて、自分の考えを変える。それが「正解」です。
でも、自分のやり方を貫いて、その人たちも黙らせてというのも「正解」かもしれないですから。