――シーズンが再開されると、チームはまさに連戦連勝。どんなふうに見ていましたか?

2019年から『ファイフロ』のMCになることが決まり、2018年の等々力での最終戦を見に行ったんです。それが初めてのサッカー観戦でした。

優勝自体はもう決まっていて、等々力での優勝セレモニーでは、綺麗な夕空の中で青い紙テープ(※通称:青覇テープ)を投げ入れたことを今でも鮮明に覚えています。今なら贅沢なことだと分かるんですが、当時は「これが当たり前なんだ」という感覚でした。

ところが2019年、いざ自分がMCになってみると、ホームで全然勝つことができなくて…。引き分けが続き、「あの時の光景は当たり前じゃなかったんだ」とつくづく感じました。

そうした中で迎えた2020年だったので、コロナ禍ではありましたけど中断明けから勝利が続いたことに正直ほっとしましたし嬉しかったです。

ただ、今度は逆に勝つのが当たり前という状況になっていったので、どうしても“慣れ”が出てきてしまい…本当に贅沢な話なんですがそれはそれで難しさもありました(苦笑)。

――あれだけ勝利が続くとそうもなりますよね…(笑)。この2年間で特に印象に残っている試合は?

いくつかあるのですが、一つ挙げるなら2019年のYBCルヴァンカップ決勝です。

北海道コンサドーレ札幌と対戦し、勝てると思ったら追いつかれたり、ピンチから今度は逆に追いついたり。“感情のジェットコースター”とはこういうことか!と思う試合でした(笑)。

『ファイフロ』の目線で言うと、MCになって最初の頃にインタビューした選手が新井章太選手だったんです。まだ慣れていない時期だったので、カメラが回っていないところでも積極的に声をかけてもらったり、優しく対応してくれた新井選手はすごく印象に残っていて。

当時はまだ新井選手がチームでどういう立ち位置なのかも分かっておらず、その人柄もあって『ファイフロ』ではインタビューなどで番組では盛り上げてくださる。一方で、プレーの面では悔しい思いをされていると感じるようになりました。

その新井選手が、ルヴァン決勝、最後は自らPKを止めてチームを優勝に導きMVPにも輝きました。まさに「新井選手がいたから勝てた」という試合で、昨シーズンの中村憲剛さんではないですが本当にドラマのようなストーリーでした。

試合後にインタビューした際の顔は本当に嬉しそうでしたし、PKを止めてラグビーのパフォーマンスをやったボールを大切そうに抱えていた姿がすごく印象に残っています。