正木監督にとっての選手権
これまで黒田監督とともに選手権を19回経験した。悔しい過去、うれしい記憶などさまざまなストーリーがあった。そんな特別な舞台である選手権はどのような舞台なのか。正木監督はその答えを屈託のない笑顔で語った。
――今季のチームの仕上がりについて教えてください。
仕上がりはどうですかね。でも本当に去年の11月から県新人戦がスタートして、そのときからいまのメンバーを見ていますけど、攻守にわたって本当にバランスがいいです。
またチームだけじゃなく、個でも全国で勝負できる子たちがいると思います。
ただまだなにも成し遂げていないですし、彼らにとっては最後の目標があります。残り1カ月でもっともっと成長して、サッカーをやっていく以上「これぐらいでいいや」ということは絶対にないです。チームとしてもまだまだ成長できると考えてやっています。
――正木監督にとって高校選手権という大会はどのような舞台ですか。
私はただ指導者になりたかったわけでなくて、高校サッカーの指導者になりたかったんですよ。どのカテゴリーでもいいわけじゃなくて、自分にとっては指導者の目標としての位置付けではかなり高い位置にある気がしています。
選手でも(選手権を)3年で3回出させていただいたし、指導者でも19回。あの舞台行っていますけども、何回行っても「もういいや」という気持ちにはなりません。そういう意味では表現が難しいけど、「これのために指導者になった」ので、ここ無きにしてどうのこうというのは、いまのところ考えてはいません。
――選手権の意気込みを教えてください。
優勝したいですね。優勝するために一つ、一つ神経を使ってやっていきたいと思っています。
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決戦を控える正木監督はときには熱く、ときには優しく語りかけるように青森山田高を語った。多くのOBが心の師、恩師とさまざまな表現で敬愛する理由を垣間見えた。高円宮杯、選手権と決戦に挑む新指揮官がどのようなサッカーを見せて栄冠を掲げるのか。楽しみで仕方がない。