アドリアーノ

クラブでの成績:300試合137ゴール

代表での成績:48試合27ゴール

キャノン砲のような左足のシュート、そしてあらゆるディフェンダーを弾き飛ばす圧倒的なフィジカル。重戦車のようにゴールへと突き進むパワーと貪欲さ。あらゆる点において、彼はストライカーとしての能力を高いレベルで揃えていた。

ブラジルの伝説的な点取り屋であるロナウドとおなじインテルで欧州でのスタートを切り、2004年のコパ・アメリカで得点王となり、次年度のコンフェデレーションズカップでも5ゴールを決めて優勝に導いた。

ところが、その中で彼は最愛の父親を亡くした。それがアドリアーノに与えた影響は計り知れないものだった。電話で死去を知らされた彼は大きな叫び声を上げ、その後徐々に精神を壊し、うつ病やアルコール依存に苦しむようになった。

それはなぜか。アドリアーノがサッカーをしていた理由は「育ててくれた父親に誇りを与えるため」だったからだという。モチベーションを失った彼は生活が荒れ、その才能を生かす機会を手放してしなった。

ボヤン・クルキッチ

クラブでの成績:398試合81ゴール

代表での成績:1試合0ゴール

リオネル・メッシよりも3歳年下のボヤン・クルキッチ。バルセロナの下部組織では凄まじい成績を残し、「メッシを超える天才」と高く評価された。小柄で技術が高く、そして得点力に優れる。まさにラ・マシアの系譜を継ぐ人物だと。

17歳と19日でトップチームにデビューし、メッシが持っていた最年少記録を更新。1990年代生まれの選手として初めてチャンピオンズリーグでゴールを決めた。そしてデビューシーズンで10ゴールを決め、ラウール・ゴンサレスの記録を更新した。

だが、残念ながら彼のキャリアにおいてはこれが頂点であった。スペイン代表にも選ばれたものの、そのプレッシャーに耐えられず不安障害やパニック障害を患ってしまったのだ。さらにメッシ、ビジャ、ペドロが彼のレギュラー定着を阻んだため、2011年に退団を余儀なくされる。

それからは世界の様々なクラブを渡り歩くことになったが、残念ながらメッシを超えると言われたポテンシャルを取り戻すことはできず。今年32歳で現役を引退することになった。