細部にこだわる独特のボールポゼッションスタイルで今年、4年ぶりとなるACL出場を果たした川崎フロンターレ。風間八宏体制も3年目を迎え、「収穫の一年」となるはずだった2014シーズン。しかしチームは、またも無冠に終わった。
チームの“顔"の一人であった伊藤宏樹が引退した一方、森島康仁やパウリーニョら実力者を補強。守備陣では筑波大学から加入したルーキーの谷口彰悟がマルチな能力を発揮して早々とレギュラーに定着するなど、夏までは順調に優勝争いに加わっていた。
ところが、9月ごろから主力のコンディションにバラつきが見られるようになり、こらえきれない試合が増加。特に、自慢の攻撃にアイデアを上乗せできる中村憲剛が足首の怪我で精彩を欠いたのは痛く、10月以降の公式戦は2勝1分6敗と完全に失速している。
最終節を残した段階で6位と、既に来季のACL出場権争いから脱落。それでも、今季も得点ランキング首位で2年連続のJ1得点王に大きく近づいている大久保嘉人、さらに風間監督の契約延長が決まっており、2015シーズンに向けたオフの動きが注目される。
その川崎が1日、2015シーズンの新ユニフォームを発表した。(写真:川崎フロンターレ)
例年通り、ホーム最終戦となった11月29日のサンフレッチェ広島で初お披露目された、川崎の2015ユニフォーム。その特徴は、何と言っても今季から「フロンターレファミリーアートディレクター」に就任した大塚いちお氏によるポップなデザインだ。
『相手ディフェンスを切り裂く閃光のようなパス。突き刺さるイナズマのようなゴール。白い襟やたすき掛けデザインなど、どこか懐かしいサッカーが持つファッション性を、イナズマのモチーフでデザインしました』とのことで、クラブカラーであるサックスブルー、黒、白のホーム(1st)は、そのフォントとともにこれまでにない“かわいい系"に。
ベースコンセプトとしてPumaらしいクラシカルなフォルムも意識しており、シンプルかつクリーンなデザインに仕上がっている。
川崎はスタジアムにほど近い武蔵小杉駅周辺の開発もあり、30歳前後の親子連れなど若いサポーターが多く、ファン層を意識したデザインと言えるかもしれない。
アウェイ(2nd)は従来通り白。
ニューモデルはデザインで攻めたこともあってか、統一感のあるイメージを持たせるためGKモデル(ホームは従来通り緑)を含め同じテンプレートを採用している。
モデルはFPが日本代表の小林悠、GKが新井章太。
ナンバーとネームのフォントも「ポップ」の一言。
スポンサーは例によって2014シーズン仕様の暫定バージョン。来季もホームに「Fujitsu」、アウェイに富士通のスマートフォン・タブレットブランドである「ARROWS」のロゴが入るかなどは明らかとなっていない。
もちろん、背中の「SMBC日興証券」や袖の「富士通マーケティング」、パンツの「PFU」についても同様である。