若くして欧州へ渡ったウッドは当然の如くアメリカ各年代の代表に選ばれていたが、ドイツでの活躍はあの人物の耳にも届くことになる。

元ドイツ代表のレジェンドで現アメリカ代表の指揮官、“新しいもの好き"のユルゲン・クリンスマンは、早速ウッドを2013年CONCACAFゴールドカップの予備登録メンバーに選出したのである。

クリンスマンはアメリカの監督に就任して以降、自身のコネクションを生かしドイツでプレーするアメリカ系のプレーヤーを片っ端から招集している。元々呼ばれていたジョーンズに加え、ウィリアムズ、ブルックス、チャンドラー、グリーンらがその代表的な例である。

彼らのなかにはウッドと同じく片親が黒人系の選手が含まれているが、多くがドイツに駐留する米軍関係者の子供で、ハワイ生まれのウッドとはその生い立ちを異にしていた。しかし彼もまた、強国ドイツで揉まれていたことが高く評価されたのだ。

ゴールドカップは1860側が辞退を求めアメリカ側もそれを認めたため、彼のデビューはお預けとなった。しかし、直後の8月14日に行われたボスニア・ヘルツェゴヴィナ戦に招集されると、後半から途中出場し残り3分ではあったがA代表デビューを果たしたのである。

日本人と黒人の特徴が分かりやすく出ている顔立ちのウッド

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