2.バネガの運動量に左右される

デポルティーボ戦では後半33分までプレーしたバネガ。運動量は9.4kmというデータも出ていたが、ポゼッションにおけるボールへの関与はバネガの上下動に大きく左右される。そして、その影響力も大きいだけに替えの効かない選手となっている。

3.バネガの技術と知性への依存

試合中のビルドアップ要員への指示などから分かるように、1つのパスや動きで全体にビジョンを浸透させようとする意図が見えるバネガ。バネガの持ち前の「個」の力に頼り、相手を押し込んだ際の中盤でのスペースはバネガの管轄となっているが、そのバネガに徹底的にマークを付けられた場合どうなるか。“バネガ落とし"による狂ったバランスを相手が調整したらどうなるのか。その辺の対応策が練られているのかどうかは未知数である。

そこに関しては一先ず評価を保留にしておこう。

勿論、トップ下の“バネガ落とし"はこのまま継続していくのは間違いないだろう。ボールを保持するのと同時に試合をコントロールするメリットが大きいのだから。

しかし、ボールを失った際の切り替えの部分で、そこを管理するクリホヴィアクのカバーといった献身性、パレハのチャレンジといったように彼らへの負担を考慮すると諸刃の剣であることは否めない。

そこをどのように調整していくのか。エメリの一挙一動に注目が集まることだろう。

それでもセビージャの監督はなんといっても、ウナイ・エメリである。その次は見えているはずだ。リーガ屈指の戦術家は、きっと持ちうる戦力を駆使してアイデアで勝負してくれることだろう。次はどんな奇策で私たちを驚かせてくれるのだろうか。シーズンも残り僅か。それでも楽しみは尽きることが無い。

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筆者名:古家政夫

プロフィール:
初めてフットボールに触れたのは98年仏W杯から。Jリーグ、プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラを中心に観戦する日々を送る。最後まで読んで頂けるような文章を書けたらな、とその道を模索中。

ツイッター: @505room

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