9月23日、『TF1』は「アンジェやヴァランシエンヌ、カーンで活躍した守備的MFジョゼ・サエズら4名は、フランス軍に入隊することを決めた」と報じた。
ジョゼ・サエズは1982年生まれの33歳。170cmという小柄な体格ながらも、豊富な運動量と激しいタックルを武器に戦う情熱的なボランチとして知られ、リーグ・アンの舞台でも長く活躍した。
ヴァランシエンヌでは特に10年に渡ってプレーした伝説的な選手であり、リーグアン時代の功労者と言える存在である。
彼は昨季限りでカーンとの契約が満了となり、次のクラブが見つかっていない状況となっていたものの、なんとそこで選んだのがフランス軍への入隊という選択肢だった。
なぜ33歳になった実績ある選手がわざわざ軍隊へ? その理由は、来月韓国の聞慶市で行われるミリタリー・ワールドゲームズへの準備なのだ。
1995年に発足し4年ごとに行われてきたミリタリー・ワールドゲームズは、世界中の軍隊のスポーツチームが集まり行われる競技大会だ。
有名なのは昔から行われているミリタリー・ワールドカップであるが、こちらはサッカーのみの大会。ワールドゲームスはオリンピックのように様々な競技を行うもので、冬季大会も存在する。
フランスはローマで行われた第一回大会で優勝を果たしたものの、その後はメダルを逃している。どうしても徴兵制がある国と比べると戦力的に劣るからだと言われている。
前回はアルジェリアがエジプトを下して優勝しているが、これは両方とも徴兵制を採用している国である。
2015年大会でフランス軍の監督を務めることになったパトリス・ガランド氏は、20年ぶりの覇権奪還を狙い、1995年に試みられていた手法を最大限に使うことを選択したのである。