VARが導入されるなど、新たなシステムやルールの採用が進むサッカー界。今年6月にもいくつかのルール変更が行われたが、物議を醸すシーンが散見されている。
女子ワールドカップでの騒動を受けて、IFAB(国際サッカー評議会)はGKについてのPKルールを再検討する見込みだそう。
6月1日から発効になった新ルールでは、「PKが蹴られる際、GKはどちらかの足の一部がゴールライン上に乗っていなければいけない」とされた。これまでのルールは「両足がゴールライン上、ゴールライン内になければいけない」というものだった。
だが、なでしこジャパンと同グループだった女子ワールドカップのスコットランド対アルゼンチン戦で物議を醸す出来事が起きた。
後半アディショナルタイムに、スコットランドGKがPKを阻止。しかし、VARの結果、キックの前に足がラインから離れていたとして蹴り直しに。蹴り直しのPKを決められたスコットランドは土壇場で同点に追いつかれ、ワールドカップ敗退が決まった。そうしたこともあり、このルール変更は物議を醸しているのだ。
2019-2020シーズンからはプレミアリーグでもVARが導入される。だが、PKの際のGKの足の動きについては、ピッチ上の審判団に委ねられ、VARは使わないとされている。
IFABスポークスマン
「このルールは次の機会に議論されるだろう」
「新ルールが適用された最近の大会から得たフィードバックについて議論する。
コパ・アメリカでは8本のPKがセーブされた。だが、GKはゴールライン上に片足を乗せており、蹴り直しはひとつもなかった。
よって、全ての事実を再検証することが重要になる」
このルール変更は、PKの際にGKに柔軟性をより与えるという意図だった。だが、意図していなかった結果が起きてしまった形。
また、PKの際にラインから動いたGKに対する自動的なイエローカード提示は、FIFAからの要請によって一時的に停止されている。この点についても、IFABは議論する見込み。