――山室社長は昨年まで千葉ロッテマリーンズの球団社長を6年間務めていました。あまりピンと来ないのですが、「プロ野球の球団社長」はどんな仕事ですか?
Jリーグクラブの社長と基本的には一緒だと思います。まったく変わらないと言ってもいいんじゃないですかね。リーグの文化なり仕組みに少し違いがあるくらいです。
――どのような流れで清水エスパルスの社長に就任されたのか気になります。オファーはいくつかあったとニュースなどで拝見したのですが、もともと昨年いっぱいで千葉ロッテを離れるというのが最初にあったのですか?
そうですね。2019シーズン限りで退任することはかなり前から決まっていて、どのタイミングで発表するかだけでした。
スポーツ、それ以外のところからもお話だけはいくつかいただきました。冷やかしみたいなものもおそらくあったと思いますが(笑)。
――その中から、清水エスパルスのオファーを受けた一番大きな理由は何でしたか?
スポーツを一度やって、面白さなどは分かったのですが一回経験したからいいかなという気持ちだったんです。ただ、いざスポーツ界を去ると考えたときに、やっぱり何ものにも変えられない魅力があることに気づきました。そこで思い直した部分があります。
そんなときにたまたま清水エスパルスのお話をいただいて。サッカーはやはり成長率、さらには裾野の広さなどを考えるとマーケットも大きいですし、なによりサッカーと言えば僕の世代だと静岡なんです。
静岡と言えばサッカー、サッカーと言えば静岡というくらいでしたし、エスパルスは“オリジナル10”(※Jリーグ創設時の10チーム)で市民クラブ。サッカーならエスパルスだよなと、最初にエスパルスの名前を聞いたときからピンと来ました。
――そうだったのですね。今年新たに迎えたピーター・クラモフスキー監督は千葉ロッテ時代を含めて初めての外国人監督です。どういった形でコミュニケーションを取っていますか?
軽く話す程度なら直接、込み入った話をするときは通訳を入れています。私は自他ともに認めるほどサッカーにはあまり詳しくないので(笑)戦術に口を出しても仕方ないですし、GMもいます。今のところは全体的なことしか話していないですね。
幸いにして今年は降格がありません。近年は監督が頻繁に変わってきましたがやはりじっくりとチームを育ててもらいたいですし、クラモフスキー監督も私も「トップ(優勝)を狙う」という考えは共通していて選手たちにも常に言っています。
10位以内にも入れないようなチームが何を言っているんだと思われるかもしれないですが、目指すべきところを明確にして「そこにたどり着くためにはどうするか」と考えていくことが何かを成し遂げるためには重要です。そこは監督とまったく同じ目線を持って取り組めています。