かつて中国代表監督を務めた李鉄(リー・ティエ)氏が、28日に行われた裁判で汚職の容疑を認めたとのこと。
李鉄氏はかつて2002年のワールドカップにも出場した経験を持ち、イングランド・プレミアリーグのエヴァートンやシェフィールド・ユナイテッドでもプレーしたボランチ。
引退後は指導者となり、広州恒大と中国代表でマルチェロ・リッピやアラン・ペラン、ラトミール・アンティッチらのアシスタントコーチを務めた。
また河北華夏幸福と武漢長江で監督を務めたあと、2019年からは中国代表の指揮官として12試合を戦っている。
しかし、今年1月にCCTVの報道によって彼の汚職行為が明らかにされた。
その内容は河北華夏幸福と武漢長江において対戦相手の選手を買収した八百長行為、2019年に中国代表監督へと就任するために行った賄賂の提供、さらに代表監督となってから賄賂を受け取って選手を選出していたという汚職行為など多岐に渡るものだった。
『新快報新聞』などの報道によれば、今回湖北省咸寧市の中級人民法院で李鉄氏の第一審公聴会が行なわれたとのこと。
そこで李鉄氏は告発されている罪について認めたという。2019年から2021年までの3年間で彼が受け取った不法な利益は5000万元(およそ10億円)を超えているそう。
また李鉄氏とクラブが試合の結果を操作するための買収に費やした額は3900万元(およそ8億円)に達していたようだ。
さらに代表監督になるために当時のサッカー協会会長と事務局長にそれぞれ100万元(およそ2000万円)を提供していたとのこと。
ただ、代表監督になってからは古巣の武漢長江と契約を結び、6000万元(およそ12億円)を受け取る代わりに4人の選手を代表チームへと招集し、その市場価値を高めさせたという。
メディアでは「監督としての能力はなかったものの、200万元の賄賂で代表監督の座を手にし、6000万元を稼いだ。非常に洞察力の高いビジネスマンであった」との評価もあるようだ。
なお、李鉄氏にはおそらく終身刑が言い渡される見込みだと伝えられている。