名選手と比較を検証してみる その2

近年よく言われるようになったのは『NEXTマケレレ』だ。かつてレアル・マドリーやチェルシーで活躍した守備の職人である。

カンテの縦横無尽のディフェンス、そして小さな体を巧みに使ったボール奪取はまさに「マケレレ・ロール」と言える。

また、マケレレもナント時代には右サイドで起用されていたことがあり、昔はよりワイドな役割を与えられていたという点でも共通する。

しかし、カンテは昔からより攻撃的なプレーを得意としていたタイプで、そこが評価されていたという部分で相違があるといえる。

さらに比較されたことがあるのが、パリ・サンジェルマンに所属するフランス代表MFブレーズ・マテュイディだ。

豊かなスピードと無尽蔵の運動量、そして強烈なタックルに高いボール奪取のセンスを備える。そもそも彼も『NEXTマケレレ』と呼ばれていたことがある。

カンテほどではないが、彼もそれほど体格には優れていない。「現在のプレー」を考えた場合には、もしかしたら最も近い存在になるだろう。

ただ、キャリアのスタートは全く逆だ。マテュイディはクレールフォンテーヌ・アカデミー出身のまさにエリートであり、昔はアンカーからロングパスを通すタイプの守備専門だった。

カンテとは全く違う道のりから同じような場所へと辿り着いた、まさに異母兄弟のような存在と言えよう。利き足も右と左であるわけであるし……。

なお、他にはムサ・シソコ(今はウイングだが、昔はNEXTヴィエラとも言われるボランチだった)、ラミレス(江蘇蘇寧)などとも比較されている。

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