[第103回全国高校サッカー選手権大会1回戦、日章学園高(宮崎県代表)6-1西目高(秋田県代表)、29日、千葉・フクダ電子アリーナ]

高校サッカー選手権1回戦が29日に関東圏各地で行われ、日章学園高が西目高に6-1で勝利し、2回戦へ進出した。

この試合で日章学園高主将FW高岡伶颯(れんと、3年‐三股町立三股中出身、プレミアリーグ・サウサンプトンFC内定)は前半のうちにハットトリックを記録したほか、後半にはこの日2度目のアシストで大勝に導いた。3得点2アシストと爆発した赤黒の背番号14は、目標としている選手権1大会20得点に向けて、上々のスタートを切った。

1大会最多得点記録更新を掲げる

選手権の宮崎県予選では3試合6得点を記録し、今大会の注目選手としてフクアリに乗り込んできた高岡。第87回大会で鹿児島城西高(鹿児島県代表)の元日本代表FW大迫勇也(J1ヴィッセル神戸)が記録した選手権の1大会における最多記録10得点を、大幅に塗り替える「20ゴールを取る」と宣言した。

「目標はなんぼでも言える。50(得点)とも言えます。でも大迫勇也選手が10点を取っているので、倍の選手であることを証明したいと思っています」と目標を高らかに掲げた。

背番号14はスタジアムへ入場する前の整列から両軍の選手の中でも最も大きな声を出して、チームを鼓舞。センターフォワードとして先発出場すると、試合開始のホイッスルと同時にトップギアで相手ゴールに襲いかかった。

日章学園高FW高岡伶颯

日本代表DF菅原由勢(ゆきなり)が在籍している名門サウサンプトンに加入内定しているが、油断や慢心はない。チームは2年連続で初戦敗退と同大会は苦戦しており、高岡はチームの勝利に飢えている。2019年大会以来の同校初戦突破に向けて、キャプテンは相手ボールになれば懸命にプレスをかけるなど労を惜しまない献身性を見せた。

「チームとして、昨年と一昨年は立ち上がりが課題だった。とても悔しかったんですけど、だからこそ準備してきた量は人一倍違う。(選手権は)もう最後なので、いろいろと思う気持ちはありますが、緊張はないですし、楽しんでやりました」と、この日のためにかけてきた熱量は会場中に伝わるほどだった。

いまだ選手権ではノーゴールだった高岡だが、待望の自身大会初得点は前半10分に訪れた。

この日両軍最多のシュート9本を放った高岡(中)

右サイドから挙げられたクロスボールのこぼれ球にいち早く反応すると、混戦の中で右足ボレーシュート。ボールは勢いよくネットに突き刺さり、日章学園高が先制点を挙げた。