山本浩正監督を招聘したワケ

――これまではクラブの代表兼監督兼選手という立場でしたが、今年から山本浩正監督が新たに就任しました。地域CLでの敗退も受けて監督を迎えた感じでしょうか?

自分だけではどうしても全部を見きれない部分があったので、監督がそろそろ欲しいなと以前から考えていました。

ただ誰でもいいかと言うと当然そうではありません。自分がこれまでやってきたことを理解してくれた上で、方向性として継続しながらチームを向上させられる指導者に来てほしかったんです。

2019年のシーズン前から動いていて、何人かに声をかけたんですが話がまとまらなかったり、逆にクラブとして迎える体制が十分に整っていなかった部分もあったりで結局昨シーズンは実現しませんでした。

そうしたなか、山本が昨年夏くらいに一回来た時に、いいかもしれないと。当時は全然関係ないことで沖縄に来ていたんですけど、彼のことは昔からよく知っていますし、自分がやろうとすることもおそらく分かってくれる。

一番適任じゃないかと感じたのでそこから具体的な話をさせてもらいました。本人もまんざらではなさそうでしたし(笑)、彼が当時勤めていた常葉大学サッカー部へ選手を見に行ったりしながら何度も話をして決まった形です。

山本が来てくれたおかげで負担が減りました。今までは自分だけが選手たちに言っていましたけど、彼は何も打ち合わせをしていなくても同じことを言ってくれる。

山本浩正

昨年から在籍する選手たちからすると、別の人間から同じことを言われるので、僕が言うから特別なのではなく当たり前のことなんだと感じますよね。これはすごく大事です。

彼とは高校時代(清水東)からプロになってジュビロ磐田まで一緒だったので、基本的には昔のジュビロがやっていたようなサッカーを共通のイメージとして持っています。

当時のジュビロは選手が日本代表クラスばかりでしたけど、「代表選手だからできる」ではなく、あのチームの根本は全員がハードワークをすることでした。チームでやろうとしていることを全員が理解し、実行するからあのようなサッカーができたわけです。

沖縄SVでもそういった“根っ子”の共有を練習からしっかりやっています。選手により伝わりやすくなったと思いますし、僕自身も負担が減った分これまで目が行き届かなかったところを見られるようになりました。

今年は分かってほしいことを選手たちに伝え、理解してもらうところまでが非常にスムーズにできています。

――現役時代ゴールキーパーだった山本監督だけに、GKコーチができることも大きいですよね。

そこは間違いないです。一番大きいですね。キーパーは本当に大事だと昨年痛感しました。

キーパーが安定しているかどうかでゲームは全然変わってくるので、そこの指導もしっかりしてくれることは、個人個人の成長という意味でもチームにとって大きなプラスです。フィールドプレイヤーだけが成長していくのではやはり意味がないですから。

昨年までは自分がフィールドのほうを見ざるをえず、キーパーはプロでやっていた選手にある程度任せる形になっていました。キーパーがどれだけのトレーニングをしているのか把握できない部分があったので、そこをきっちりと山本がやってくれることはチーム作りの面も含めて大きいです。