「友人から家の保証人になることを頼まれた父はその人を信じた。だが、そいつは金を支払わなくなり、ある日、忽然と姿を消した。

だから、銀行は親父を狙った。親父は家2軒の代金と自分の家族を養わなければいけなくなり、おぼれる寸前だった。

最初の商売は炭じゃなかったんだ。家の前で商売をしようとした。あらゆる洗剤を買ってきて、小さな瓶に小分けにして、リビングで売っていたんだ。

うちの近所に住んでいれば、店でCIF(洗剤ブランド)のボトルを買わなくてよかった。あれはとても高かった。ディマリアの家にいけば、うちの母親がより手頃な値段でボトルを売ってくれるからね。

ある日までは全てがうまくいっていた。ある少年のせいで家族は全てが台無しになり、本人も死にかけた。

そうさ、その少年は俺だ。子供の頃の俺はクソ野郎だったんだ!

本当のワルだったわけじゃない。ただ、エネルギーが有り余っていた。多動症だったんだ。

ある時、母親が自宅で商売をしていて、自分は通路で遊んでいた。

お客が通れるために正面の門は開いていて、母がよそ見をしている時に俺は歩き出した。歩き続けた、探検したかったのさ!

道路の真ん中まで行ってしまい、車に轢き殺される寸前だった俺を助けるために母は狂ったように走らなきゃいけなかった。

母曰く、かなりドラマチックだったとか。で、それがディマリア一家のクリーニング業の最後の日になった。母は父に伝えた、『危ないから、他を探さなきゃいけない』って」