塩谷 司

一昨年夏にUAEへ渡った彼は、ほんの2か月ほど前まで忘れられた存在に過ぎなかった。

しかし年末のクラブワールドカップで印象的な活躍をし、ボランチ・守田英正の離脱によって3年ぶりに緊急招集された30歳は、ウズベキスタン戦で大会ベストゴールの一つともなる左足での強烈なシュートを決めたほか、決勝トーナメントでも「クローザー」として日本を助けることに。

遠藤航の負傷によって先発した決勝では大きな仕事をできなかったものの、そもそも彼はDFの選手。慣れないボランチでこれほどできたことが奇跡的であり、同時に新たな可能性を示すには十分なものであった。

2022年ワールドカップは同じ中東のカタールで開催される。現在30歳であることは気にかかるが、「新しい今野泰幸」は少なくとも今後も招集の対象になっていくだろう。